人気ブログランキング | 話題のタグを見る

キヌフラスコモ (シャジクモ科)

山間部の水のきれいなため池の底に黒っぽい大きな塊がいくつもあるのを見つけました。
ひょっとしたらシャジクモの仲間では?と思ったのですが今までにこれほど大きな群落は見たことがありません。さっそく採集してその場で観察してみると今まで見たシャジクモ科の仲間と比べて非常に繊細であるため他の藻類だと思ったのですが、細部を詳しく調べると分枝して枝が出ており間違いなくシャジモの仲間であると確認しました。
キヌフラスコモ (シャジクモ科)_a0108105_21280925.jpg

帰宅後細部を観察し、図鑑などで調べてみるといくつかの特徴などからキヌフラスコモらしいことが判明しました。キヌフラスコモは池の底全体を覆うほど繁殖することがよくあると書かれている文献もあり、この点でもキヌフラスコモと特徴が一致します。
キヌフラスコモ (シャジクモ科)_a0108105_21282985.jpg

全体の藻姿です。シャジクモの仲間は水を浄化する作用がある為か、この池に生育しているものは全体が水垢で覆われていました。何度も何度も水道水で洗い流してやっと全体の姿が判るようになりました。
キヌフラスコモ (シャジクモ科)_a0108105_21301412.jpg

最終枝は2細胞で終端細胞は短縮しています。
キヌフラスコモ (シャジクモ科)_a0108105_21305499.jpg

いくつかの最終枝の細胞数を確認していると、この様に3細胞あるものもありました。キヌフラスコモは最終枝の細胞はふつう2細胞だが3細胞もあると図鑑には書かれています。
キヌフラスコモ (シャジクモ科)_a0108105_21312163.jpg

全体が水垢で覆われているため卵胞子もいくつかが脱落せずに残っていました。この卵胞子のらせん縁は6本です
キヌフラスコモ (シャジクモ科)_a0108105_21314731.jpg

卵胞子の表面には非常に細かく規則的な顆粒状の模様があります。
キヌフラスコモ (シャジクモ科)_a0108105_15090387.jpg
Nitella gracilens Morioka
平成29年3月 京都府
by mst-ky | 2017-03-06 21:33 | ため池・湖沼の植物 | Trackback

野山で観察した植物の記録写真です。


by mst-ky
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31