キヌフラスコモ (シャジクモ科)
2017年 03月 06日
ひょっとしたらシャジクモの仲間では?と思ったのですが今までにこれほど大きな群落は見たことがありません。さっそく採集してその場で観察してみると今まで見たシャジクモ科の仲間と比べて非常に繊細であるため他の藻類だと思ったのですが、細部を詳しく調べると分枝して枝が出ており間違いなくシャジモの仲間であると確認しました。
帰宅後細部を観察し、図鑑などで調べてみるといくつかの特徴などからキヌフラスコモらしいことが判明しました。キヌフラスコモは池の底全体を覆うほど繁殖することがよくあると書かれている文献もあり、この点でもキヌフラスコモと特徴が一致します。
全体の藻姿です。シャジクモの仲間は水を浄化する作用がある為か、この池に生育しているものは全体が水垢で覆われていました。何度も何度も水道水で洗い流してやっと全体の姿が判るようになりました。
最終枝は2細胞で終端細胞は短縮しています。
いくつかの最終枝の細胞数を確認していると、この様に3細胞あるものもありました。キヌフラスコモは最終枝の細胞はふつう2細胞だが3細胞もあると図鑑には書かれています。
全体が水垢で覆われているため卵胞子もいくつかが脱落せずに残っていました。この卵胞子のらせん縁は6本です
卵胞子の表面には非常に細かく規則的な顆粒状の模様があります。
平成29年3月 京都府