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私の植物観察日記

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ツルタチツボスミレ×オオタチツボスミレ (スミレ科)

これはツルタチツボスミレ(V. rhizomata) とオオタチツボスミレ(V.kusanoana) の交雑種です、山と渓谷社の増補改訂版「日本のスミレ」によると、両種の交雑種はツルタチツボスミレの分布域で見つかることがある、と書かれていますが近畿地方ではツルタチツボスミレ自体が少ないため見つかることは非常に希と思われます、この日両種の交雑種と思われるものを数株見つけました。
この交雑種、ほとんど見かけないため残念ながら名前は付けられていないそうです。
また広島、岡山県の中国山地のツルタチツボスミレの自生地ではこのオオタチツボスミレとの交雑種が確認されているそうです。

この個体は花の形はオオタチツボスミレに似ていますが、大きさと花色は両種の中間を表しています。
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距は先端が細くなっていてツルタチツボスミレの特徴を表していますが、ツルタチツボスミレと比べて太短く、これも両種の中間を表していると思います。
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葉は光沢があり茎は地を這っておりツルタチツボスミレの特徴を表しています。
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生育地の様子です、A がツルタチツボスミレで、B がオオタチツボスミレ、C が交雑種です。
交雑種(C)とオオタチツボスミレ(B)を比べてみると、花と葉の大きさの違いがよくわかると思います。
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Viola rhizomata ×  Viola kusanoana
平成24年5月 兵庫県
by mst-ky | 2012-05-31 22:59 | 山地の植物 | Trackback

ツルタチツボスミレ (スミレ科)

ツルタチツボスミレ(スミレ科スミレ属)は山形県~広島県の日本海側の高地(標高800m~1,700m)の主にブナ等の落葉樹林の湿り気のある林床に生え、茎をつる状に伸ばすことからこの名前が付いているようです。
近畿地方では非常に珍しいスミレ類で、今までは滋賀県と兵庫県の限られた地域に生育することが知られていましたが、近年京都府でも生育が確認されました。
花色はごく淡い紫色で白色に近いものもあります、また距は鳥のくちばしのように先端が徐々に細くなるのも他のタチツボスミレの仲間に見られはない特徴のひとつです。
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若い葉は光沢があることや、先端の葉の基部はやや心形~切形で葉脈は浮き上がるのも特徴です。
Y listではタチツボスミレ(V.grypoceras)の変種とされていますが、福井県以北は生育地が重なることや、このような葉の特徴や、茎を伸ばして増える性質等からテリハタチツボスミレ(V.faurieana )の変種とする見解や、葉の特徴から独立種とする見解もあります。
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茎をつる状に伸ばすため、このように群生する場合もあります。
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Viola rhizomata Nakai
平成24年5月 兵庫県
by mst-ky | 2012-05-31 22:25 | 山地の植物 | Trackback(2)

ホソバシロスミレ (スミレ科)

ホソバシロスミレ(スミレ科スミレ属)は東日本に生えるシロスミレ(V.patrinii)の変種で、主に西日本の標高800m以上の高い場所の日当たりの良い草地に生えるため、普通ほとんど見かけることのないスミレ類のひとつで近畿地方では京都府、大阪府以外の高地に点々と自生地があります。
見た感じはアリアケスミレ(V.betonicifolia var.albescens)に似ていますが、葉の基部は鉾形になっており、葉の基部が心形になるアリアケスミレとの明確な区別点のひとつです、また葉は展開せず必ず垂直に立てるのも特徴です。

高地に生育するため花期は遅く、まだ咲き始めたばかりでした。
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距は短いのも特徴です。
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Viola patrinii DC. var. angustifolia Regel
平成24年5月 兵庫県
by mst-ky | 2012-05-31 22:04 | 山地の植物 | Trackback

ヤセウツボ (ハマウツボ科)

ヤセウツボ(ハマウツボ科ヤセウツボ)
主にマメ科の植物に寄生し、それらのマメ科が多く生える土手や公園の芝生などに生えます。
原産地はヨーロッパから北アフリカで帰化植物です。
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そばにはムラサキツメクサ(Trifolium pratense)が生えており、このムラサキツメクサに寄生しているようです。
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ここではムラサキツメクサはなく、他の植物に寄生しているようです。
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Orobanche minor Sm.
平成24年5月 京都府
by mst-ky | 2012-05-31 21:54 | 野原・山麓の植物 | Trackback

ニオイオオタチツボスミレ (スミレ科)

ニオイオオタチツボスミレ(スミレ科スミレ属)はニオイタチツボスミレ(V.obtusa)とオオタチツボスミレ(V.kusanoana)の交雑種です。
花色はオオタチツボスミレに似ていますが少し濃いようです。距の色は薄紫色でここがオオタチツボスミレとの相違点です。
ニオイタチツボスミレはこのように群生することはなく、この点はオオタチツボスミレの特徴が現れています。
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根生葉の先端は丸味を帯びることや花に芳香があることなどニオイタチツボスミレの特徴を表しています。
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花の中心部の白色がはっきりしておりニオイタチツボスミレの特徴を受け継いでいるようです。
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Viola obtusa × Viola kusanoana Makino
平成24年5月 兵庫県
by mst-ky | 2012-05-20 21:52 | 山地の植物 | Trackback

ヤシュウスミレ (スミレ科)

ヤシュウスミレ(スミレ科スミレ属)はサクラスミレ(V.hirtipes)とフモトスミレ( V. sieboldii )の交雑種で最初に栃木県日光市で見つけられたことにより野州(下野の国の別称)の名を付けられたそうです。
サクラスミレの自生地の少ない関西では非常に希な交雑種です。

花色と葉の形、そして大きさは両種の中間を表しており、葉裏は一面赤紫色でフモトスミレの特徴を表しています。
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距の色と形、そして花柄は無毛で、フモトスミレの特徴を表しています。
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すぐ近くには片親のサクラスミレが生えていました、花の大きさはサクラスミレの半分ほどの大きさです。
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Viola hirtipes x Viola sieboldii Maxim.
平成24年5月 兵庫県
by mst-ky | 2012-05-20 21:16 | 山地の植物 | Trackback

ムロウテンナンショウ (サトイモ科)

ムロウテンナンショウ(サトイモ科テンナンショウ属)は広義のマムシグサと呼ばれている植物のひとつで、そのなかでもムロウテンナンショウ群として分けられています。マムシグサという和名は茎や葉柄にある斑が蛇を連想させることから付けられているようです。

この種は同じ広義のマムシグサの仲間のコウランテンナンショウ(Arisaema peninsulae)とともに近畿地方では山地で普通に見ることのできる種です。
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この種は棍棒状の付属体の先端が徐々に細くなっているのが特徴のようです。
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仏炎苞も先端は長く伸びず、ずんぐりとしています。
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Arisaema yamatense (Nakai) Nakai
平成24年5月 京都府
by mst-ky | 2012-05-16 20:14 | 山地の植物 | Trackback

サンインクワガタ (ゴマノハグサ科)

サンインクワガタ(ゴマノハグサ科クワガタソウ属)は京都府から島根県にかけての日本海気候地帯山間部の渓流沿いや湿った林内に生育します。

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まだ咲き始めで開花株はわずかでした。
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Veronica muratae T.Yamaz.
平成24年5月 京都府
by mst-ky | 2012-05-13 22:21 | 山地の植物 | Trackback

イワハタザオ (アブラナ科)

フジハタザオ(アブラナ科ヤマハタザオ属)を母種とする種は形態的、生態的に変化が多く、図鑑で調べると変種、品種を含めると9種ほどに細分化されています、種の違いは僅かなことでほとんどは長角果の長さや毛の有無そして自生地域の違いにより分類化されているようです、この写真のものは京都府北部に生えておりこの地域には図鑑に書かれている該当種が見あたりません。
「近畿地方植物誌」では京都府北部のものはフジハタザオ・シコクハタザオとされており、「兵庫県産維管束植物」では兵庫北部のものはフジハタザオ・イワハタザオとされています、この様にひとつの植物に二つの名前が付けられていることから推察すると近畿地方北部域に生育するフジハタザオの仲間ははっきりと分類が困難のようです。
またFlora of Japanではこのフジハタザオ Arabis serrata の仲間は種内分類群を大きくまとめてイワハタザオ var.japonica として統一されていることから、京都府北部と兵庫県北部に生育しているものはイワハタザオとするのが妥当のようです。
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山間部を走る道路脇の岩場のみで見かけました。
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Arabis serrata Franch. et Sav. var.japonica (H.Boissien)Ohwi
平成24年5月 京都府
by mst-ky | 2012-05-10 22:26 | 山地の植物 | Trackback

オカオグルマ (キク科)

オカオグルマ(キク科キオン属)は本州~九州にかけて分布し、日当たりの良い乾いた草原に生えます、近年この自生環境が少なくなりこの植物も減少傾向にあるようです。
ここでも以前はもう少し株数があったのですが道路工事の影響で減少し、今ではこの写真に写っている株のみになりました。

類似種のサワオグルマ(Tephroseris pierotii)と比べると茎に付く葉が小さいのが特徴のようです。
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Tephroseris integrifolia (L.) Holub subsp. kirilowii (Turcz. ex DC.) B.Nord.
平成24年5月 京都府
by mst-ky | 2012-05-10 21:04 | 野原・山麓の植物 | Trackback